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雑記帳

- 朝鮮半島の平和と和解

日本ジャーナリスト会議(JCJ)機関紙「ジャーナリスト」07年4月号

 ソウルに70カ国、130人の外国人記者、70人の韓国人記者が集まり、「朝鮮半島における平和と和解」を主題に5日間語り合った。3月11日から、韓国ジャーナリスト協会(JAK)と国際ジャーナリスト連盟(IFJ)共催の特別会議。「朝鮮半島における」という問題設定は、むろん半年前の北朝鮮による核実験と、冷戦時代の遺産である分断状態をどうやって平和の方向へ導くのかという関心に基づく。

 多くの外国記者が自国や近隣国の経験に根ざした報告をしたが、世界には大小各種の分断や分裂に悩み苦しんだ歴史が無数にあったし、今もある。

 しかし、ここからが大事なのだが多くの記者が語ったのはどんな困難な摩擦・対立も、いつか必ず話し合いで解決の方向に向かうというオプティミズムであり、武力行使などは最悪の手段である、という話だった。「ベルリンの壁」解消の例がしばしば語られた。

 会議初日には盧武鉉大統領、2日目には金大中前大統領が講演をしたが、二人の趣旨は「平和的」「漸進的」な統一であり、「力」による「吸収」などの発想はない。3日目はバスを連ねて北上し、東海岸の非武装地帯を越え、北朝鮮領域内に南北で共同開発中の観光地「金剛山」に移った。型どおりに入国手続きがあり、臨時のビザを首に下げての2日間だったが、泊ったホテル、レストラン、劇場、観光案内などですべてそつのない英語を駆使しての接待を受けた。北の電力不足が伝えられているが、中層のホテルは一晩中ライトアップされていたし、カラオケ・ルームは大賑わいだったという。5日目も北朝鮮日帰り往復で、ソウル北方のケソン(開城)で共同開発中の広大な工業団地を見た。むろん多くの制約つきで、写真撮影ができた施設は大勢の女工さんが働く衣服産業と精密工業ぐらいだったが、最新の設備や技術による生産が北朝鮮の一角で始まっていることは確認できた。

 書き割りのような仮想現実と実在が重なり合う、不思議な体験である。金剛山もケソンも「現代」(ヒュンダイ)財閥など韓国財界の大投資によって開発されており、韓国は北との壁を投資によって溶かそうとしているのかもしれないという感想さえわいた。半島の南北関係を見つめる諸国記者団の視線にも緊張感は薄く、もしかしたら日本の上空にだけ別の硬直した風が流れているのではないかという想いが強く残った。大きな国際会議を成功させた韓国ジャーナリストたちの努力には、感嘆している。



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