参議院選後初の国会が召集され(7日)、各党が議員総会。自民党の総会では安倍首相が何人かの有力議員から退陣要求と言うべき批判発言をまともに浴び、視線が虚空を泳いだ。記者会見でも目にまったく力がなく、顔色もよくない。ストレス障害と診断された朝青龍を連想してしまったが、それは若くて回復力が期待できる横綱にワルい。
選挙後1週間目の各メディア世論調査では内閣支持率は20%台に落ち込み、下げ止まらない。長勢法相の金銭授受疑惑が報じられ(7日・毎日)、神奈川選挙区で当選した自民議員の会計責任者が選挙違反で捕まった。同様の違反摘発が拡大するかもしれない。
経済財政白書は「経済成長は格差を拡大させる」と警告した。つまり、小泉・安倍が唱えてきた「改革」「成長」のスローガンの負の側面を政府自体が認めざるを得なくなったのだ。
今月末と伝えられる党・内閣の「人心一新」まで、安倍政権が持つとは思えない。その間、選挙前から続いている安倍政権のダンピング症候群はいっそう悪化し、求心力と体力を奪うだろう。
安倍首相がいま持っている武器と言えば解散権だけだが、これを早く行使すれば、民主党が持っている「勢い」で衆議院も自民大敗となりかねない。かといって9月末からの臨時国会が本格化してからでは、参議院審議などを通じて政権と与党のアラはさらに露骨になる。自民の安倍批判派の動きが活発化する、自民地方組織の不満が噴き出る…、といった事態を避けて、自由民主党という政党自体が生き延びるようにするには次のような「奇策」が考えられる。
ひとつは、安倍をおろして、臨時党大会で「山崎拓総裁」を選出し、加藤紘一と谷垣禎一を副首相か幹事長に、といった小泉・安倍路線とは別の政権をつくることだ。安倍批判の発言をした中堅議員も閣僚にする。しかし、これで安定政権ができるとは思えない。
そこでもう一つの奇策は「憲政の常道」で、安倍内閣が総辞職し、自民・公明は下野し、政権を民主に譲ることである。政権の準備ができていない民主はあわてるだろう。小沢党首の体力不安もあり、民主の手で解散総選挙となると、振り子の論理で自民はそこそこの議席を得て(それでも「小泉劇場」選挙で得た議席は下回る)、自民に一定の安定感が出てくる。
空想的かもしれないが、今の政局、何が起こっても不思議はないのだ。